【天気の子 ネタバレ感想】ゼロ年代エロゲーを思い出す良作なのはなぜか

「天気の子」先日観にいってきましたが最高でした!!
かなり泣きましたねー、僕は正直君の名はよりも好きでした。
なんで、僕がこんなにハマったかというと、「天気の子」ってエロゲーぽいんですよ。
何言ってるんだと思いますよね。
僕は18〜20歳くらいの頃、30本ほどのエロゲーをプレイしました。
そんな生粋なエロゲーオタクにとって、「天気の子」はどっかでプレイした作品に思えてしょうがないんです。
自分が駆け抜けたゼロ年代エロゲーの感動が戻ってきた感覚に陥り、もはや懐かしさすらありました。
この記事では「天気の子」の感想と、なんでエロゲっぽいのか、またその魅力について語っていこうと思います。
※この記事は「天気の子」と「君の名は」のネタバレを含みますので、ご注意ください。
※個人的な主観を多く含みますので、美少女ゲー(エロゲー、ギャルゲー)が苦手な方はご注意ください。
「君の名は」と天気の子の違い
世界を救う→君の名は
世界を壊す→天気の子
まず、前提と整理しておきたいのが、前作「君の名は」との違いについてです。
「君の名は」は村の人と協力し世界を救う話であるのに対して、「天気の子」は好きな子一人を守るために世界を壊す話です。
ここが一番の違いだと思っていて、パンフレットの新海監督のインタビューでもしたのような内容の記載がありました。
「どうせ世界が狂ったままなら、天気も狂ったままでいいんだ」
昨今の日本はバブルが終わってから不景気になり、そこにさらに超高齢社会が追い打ちとなり、若者が貧しい暮らしを強いられているのも少なくありません。
例えば僕自身もバブル崩壊の年に生まれましたからね。
なので、若者が世の中が狂っていると考え、反感を持っていてもおかしくありません。
そんな若者の感情を汲み、共感を呼ぶ作品を作る、そんな風に考えていたようです。
なので、一言で言うと「自分の幸せのためなら、世界なんか狂ったままでいい!」といったメッセージ性を持った作品となったわけです。
一般的な王道映画だとあまりこうはならないなーと思っていて、どちらかといえばサブカルチャー寄りな作品に多いと思います。
なので、「君の名は」であれだけ有名になっていながら、この結末に舵を切れた新海監督の決断が素晴らしいですね。
「天気の子」はなんでエロゲーっぽいのか
①世界より女の子ひとりの命を選ぶ
「君の名は」のように世界を救うのはハリウッド映画などにもよくある結末で、一般的にハッピーエンドと呼ばれるものです。
しかし「天気の子」は違う。
彼女ひとりのために東京を捨てる話で、ハッピーエンドは言い切れないものです。
バッドエンド、またはトゥルーエンドと呼ばれるような結末なのが賛否が分かれる一番の理由であり、エロゲっぽい所だと思います。
どっかの選択肢が正しく選ぶことができれば、東京も救いつつ、彼女も救えたんじゃと思わせる結末なのがリアルで美しい。
また、エロゲーって基本的に女の子と恋愛する話なので、なによりも優先して女の子を救うって選択肢になりがちです。
たとえば、沙耶の唄とかそんな感じですよね。
あっちはもっと規模が大きくて、沙耶ひとりのために世界がめちゃくちゃになりますからね。
きっと思い出した紳士の諸君は多いはず。
②自分の選択で世界が変わっていく実感がする
エロゲーなどの、ノベルゲームの醍醐味は選択肢とマルチエンディングです。
例えば、映画、アニメなどは基本的に一つの結末しか見せることができませんが、「天気の子」は選択肢は無くとも、選択肢が自然に頭に思い浮かぶシーンが何個かあります。
たとえば
・銃を手に入れるかどうか
・ひなの手を引っ張って逃げるかどうか
・指輪を渡し告白するかどうか
・東京の天気と陽菜、どっちを選ぶかどうか
このあたりが選択によって大きく結末が変わっていたなと思うシーンなのですが、帆高の葛藤が痛いほど伝わってきます。
なんか不思議とその選択の葛藤と臨場感が、観ている僕たちも伝わってきて、なんか自分がその選択を選んだ気分になってきます。
帆高は世界を背負うにはあまりに幼なく、選択もどちらかといえば、後先考えない短絡的な選択が多い。
この映画を否定する人の何割か、ここに違和感を覚える人が多いのではないかなと思います。
でも、僕は女の子ひとりのために頑張る主人公大好きマンなので全力で応援していました。
てか、陽菜ちゃんのことが好きすぎてたまに間違うだけで、素直で良い子だから本当に幸せになってほしい。
③良い感じのシーンで音楽が流れる
超良いシーンで歌付きの超感動する音楽が流れるため、Key作品をやっているかのような感覚に陥ります。
ただ、これは前作からそうだったのですが、おそらく女性ボーカルも加わったことによって、よりKey作品をやっているような感覚に陥ったのだと思います。
ちなみに僕は、帆高が階段を駆け上がる「愛にできることはまだあるかい」のシーンで号泣。
この歌詞とタイトル、キャッチーだし、映画にあってるし、やっぱRADWIMPS天才かよ・・・。
リトバスのリフレインの「遥か彼方」で号泣したのを思い出しました。
少年が一生懸命な姿ってグッときてしまうんだよなぁ・・・(涙目)
④世界観の説明不足→考察の余地がある
「天気の子」はファンタジーであり、あまり世界観に対する解説がされていません。
占い師のおばあちゃんや神主のおじいちゃんがスピリチュアルなこと言ったり、都市伝説とか噂話とか抽象的なものばかり。
観た側としては、「ひなちゃんが祈ってたらいつのまにか天気を操れるようになって、能力使い過ぎたら消えちゃったんだねー」くらいなもの。
主人公とヒロインにフォーカスをあて、世界観の説明が省かれ、抽象的な災害に立ち向かう。
これが「セカイ系」と言われる所以です。
エロゲだとCross†Channelとかの不親切さに近い。(知っている人いるのかな・・・)
漫画だとエヴァンゲリオンや最終兵器彼女とかが近いですね。
正直僕もあまりわかっていない描写があったりしますので、小説読んでわかったことがあったら追記します。
天気の子の評価
僕にとっては百点満点な出来でした。
僕にとってこの映画の評価が爆上がりしたのは、ラストシーン。
帆高が3年越しに会いに行くと、陽菜が空に手を合わせていました。
ここでまた号泣。
例えば、陽菜と帆高の2人共が東京を水浸しにして平然としていたら、きっとモヤモヤが残ったと思います。
アメリカの映画にありがちなカメラぐるぐるまわしながらのキスシーンとかだったら絶対におこ。
「帰ってこれた!やったー!」ではなく、罪悪感と戦いながら神様が晴れにしてくれるように祈っているんですよね。
新海監督の作品ではよく神社が出てきますが、まさに新海監督らしいカットだったと思います。
まとめ
「天気の子」があまりに自分の中でどストライクな作品だったため、長々と語らせていただきました。
ちなみに、誤解しないでいただきたいのは、
「天気の子」=エロゲ
ということを言いたいわけではありません。
「天気の子」は、僕が大好きだったエロゲの良い要素をたくさん持っていると思ったので、書かせて頂いたわけです。
世界最高峰のアニメーションで描かれ、普通の映画と一味違う「天気の子」の良い点が少しでも共有できていたら幸いです。
どうも、うーた(@u_ta_kasou)でした。
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